第一子として生まれることのメリットとチャレンジ、そして親ができる3つのこと

先日書いた記事で、出生順が子供の発達に与える影響についての概観をお話ししました。

今日は、第一子として生まれて子供についてお話しをします。

第一子のメリット

まず、第一子として生まれたメリットは何でしょうか。最大のメリットは、生まれてから弟や妹が誕生するまでの間、親の愛情を一身に受け親に手をかけてもらって育ったことです。また、妹や弟が誕生して、下の方お世話をしたり、下の子が自分を崇めるようにして見てくれます。こうしたことを通じて、自己肯定感や自信が育まれリーダーシップの能力・スキルも身に着けられます。

第一子が直面するチャレンジ

 他方、多くの第一子が直面するチャレンジとしては、下の子が生まれた時に親の関心が産まれたての赤ちゃんに移ってしまい、親の愛情を失うという経験をすることです。まだ状況を十分に理解できない年齢で幼い弟・妹が誕生した場合、この「親の愛情を失う」ということは幼い子供にとっては大きな心の傷にもなり得ることです。

大人には中々理解できないことですが、児童心理学ではこの状態を「Dethronement」(王座を奪われる)と呼んでいて、幼い長子にとっては、今までは両親の愛情を一心に受けていて王者のような存在であったのが、妹・弟の出現によってその座を奪われるということです。

また、初めての子供ということで、親からのプレッシャーがあったり、親自身が経験不足などから子供に歳不相応なことを期待してしまうことも多いです。特に、親自身の叶えられなかった夢を叶える存在として期待されることもあります。さらに、下の子が多少いたずらしても、「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから我慢しなさい」などと理不尽な我慢を強いられることもあります。

なお、「優等生症候群」になりやすいのも、第一子であるとされています。子供の誕生に歓喜する親にとって、長子の成長や達成が親の最大の関心になってしまい、子供にとってはとてつもなく大きなプレッシャーにさらされることも多いです。さらに、 下の子供にとってのロールモデルとしての役割を期待され「良い子」であることを求められたりもします。そういう中で、自分の存在価値が、 学業やスポーツなどで達成して親を喜ばせることということにもなってしまうこともあります。 そして勉強などがうまくいかないと、 自信を失ってしまったりうつ状態にもなってしまう可能性もあります。 

親ができること

そこで親ができることは何でしょうか。第一に、子供の存在を絶対的に受け止めるという無条件の愛情を与えることです。(逆に、「あなたが100点をとったから、私はあなたを受け入れ愛するのよ」というのが典型的な「条件付きの愛情」です)

第2に、テストで100点を取ったと言った場合でも、その結果だけを見て評価するのではなくて、むしろそのプロセスや学ぶことの楽しさということを教えるということです。

第3に、 親自身のやらせたいことを強制するのではなくて、あくまで子どもの興味や関心に従うということです。 

では、幼い弟・妹が生まれた直後の、親の愛情をめぐって調子が抱く嫉妬心にどのように対処したらよいでしょうか。

これについては、別の記事でお話しします。

参考文献:Meri Wallace著「Birth Order Blues」