あなたは、「こうなりたい」という親はどんな姿ですか。
親は子供と共に成長するもので、理想の「なりたい親」と現実とは違うものです。この記事では、「なりたい親」になるために役立つ3つのことについてお話しします。
親のタイプ:3つのアプローチ
まず、あなたはどんなタイプの親ですか。
どのように子供には親としてどのように子供にアプローチするかについて、大きく分けて3つの分類(支配型、追従型、民主型)があるとされています。
A.支配型
1つ目の支配型の親とはどんなスタイルでしょうか。
まず、子供へのしつけに非常に厳しいく、ときには罰を使うこともあります。「これをしてはいけない」といったルールは親が一方的に設定し、柔軟性に欠けることが多いです。子供への期待が高く、子供の行動や気持ちを支配しようとします。また、コミュニケーションは一方的です。
B.追従型
次に、2つ目の追従型とはどんなスタイルでしょうか。
基本的には、子供のやりたいことをやらせるというスタンスで、子供が「あれ欲しい」と言った時に親が「はいはい」と与えてやることが多いです。特にルールを定めず、子供が困難に直面している時にも適切なガイダンスを与えずに基本的には子供自身に任せます。子供への期待はあまり高くないことが多いです。
C.民主型
では、3つ目の民主型とはどんなスタイルでしょうか。
まず、親の期待やルールを子供に明らかにし、ルールを設定するときに子供の意見を取り入れます。ルールを設定した上で、その中で子供に自由にやらせるということも特徴です。コミュニケーションは双方向で、子供にわかりやすい形で話をします。
時代によって変わる親のタイプ
支配型のアプローチは、昔は主流のアプローチで、一世代前には世界中どこの国でも多くの親が取っていて、子供は親の言うことに従うのが普通でした。
追従型のアプローチは、現在ではより多くの方がとられているアプローチです。自分の親が支配型だったの嫌悪をして自分の子供にはそういう思いをさせまいとしてこのアプローチを取るケースも多いです。また、言い聞かせて諭すようなアプローチをしたいけれど、そうするノウハウやスキルを得られていない、という場合も多いです。
民主型のアプローチは、子供の自主性や自己肯定感を高めたりするのにふさわしいアプローチだと言われていて、現代や近未来に必要とされる能力(創造性や思考力といった、「非認知スキル」)を子供が獲得する可能性がより高いと言われています。
理想の「なりたい親」になるために知ってほしい3つのこと
さて、あなたはこの3つのうちどのアプローチをとっていますか。あなたのパートナーや配偶者はどうでしょうか。あなたの両親はどういったアプローチをとっていましたか。
私が主宰してきたいくつかの育児グループでこの話をして、そこに参加していた方々と、それぞれどのアプローチをとっているのかを話し合う機会がありました。
多かったのは、「自分の親は支配型のアプローチをとっていたけれど、自分が目指してるのは民主型。だが、なかなかうまくはいかないくて結局のところ、支配型ないし追従型になってしまうことが多い。」ということでした。
あなたが現在行っているアプローチと理想とするプローチが違う場合、どうしたらそのギャップを埋められるでしょうか。
「自分の理想とする親」になるにはためには、次の3つが必要です。
1.感情をコントロール
1つ目は、自分をコントロールすること。多くの親が、子供を感情的に叱ってしまって、後悔し、親としての自己肯定感を持ちにくい、という問題を抱えています。
感情的に叱ってしまう背景には、子供が自分の期待通りに行動しなかったり、親自身が「こうあるべきだ」と考えることが実現できないと苛立ちがあったりします。感情コントロールする方法は、練習次第私ができるようになると思います。
また、「自分の育児が育児書通りにはならない」という声もよく聞きますが、その理由の一つとして、育児書が提唱する方法論が、親の自己コントロールを前提としている一方、どのように自己コントロールをするのかということまでは書いていない、ということがあります。
2.育児スキル
2つ目は、良い育児スキルを獲得することです。バスケットボールを習うときにはドリブルの練習をします。何かをマスターするには、必要なスキルを習う必要があります。育児も同様で、ふさわしいスキルというものがあり、それを獲得する必要があります。(育児スキルを敢えて習わなくても素晴らしい育児をされている親御さんがいるとしたら、その親御さんに才能があったか、お子さんが育てやすいタイプの子供であったと考えるべきです。)
3.正しい知識・情報
3つ目は、子供の発達について正しい知識を得ることです。子供は段階を追って成長し、子供の発達段階は、大体の場合、年齢や状況によって予測可能なことが多いです。
例えば、「子供が言うことを聞かない」という子育て上の悩みの理由は、親が子供の年齢に不相応な期待をしてしまっているであることも少なくないです。子供はまだ脳内のプロファイリング機能を構築してる最中ですから、親の言うことをそのままの通りで理解できるわけではありません。
例えば、小さなお子さんを連れてスーパーマーケットなどに行く時に、お子さんが陳列されている品物を触ってしまって、親が「触っていけません」などと言うとします。親にとっては、これは売っているものなのだから触ってはいけないという意図があります。ところが、子供にとっては、自分が触ってしまった特定のイチゴだけが「触ってはいけない」ものだと思ってしまい、他のものを触って良いと思うかもしれません。
私たち大人は、すでに脳内プロファイリングを機能獲得していますし、社会的な文脈で何が許容できるのか知っているので、「触ってはいけない」と言われると、陳列されている商品全てだと脳内で瞬時にプロファイルをすることができます。この脳内プロファイルプロファイリング機能が完成するのは大体10歳位です。そういった発達上の知識というのは、子育てに大いに役立ちます。
いかがでしたか。
もしあなたが現在「なりたい親」の理想のようには子育てをしていないと思っていたとしても、親も子供と共に成長するものです。深呼吸して自分を認めた上で、ここでお話しした3つのことを、立ち止まって少し考えてみませんか。