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経済とは、私たちが物をつくったりサービスを提供し、それを売ったり買ったりしていること、言い換えると経済活動をしている状態のことです。
例えば、私はヨルダンという中東のアラビア半島の小さな国に住んでいます。ヨルダンと比べると、日本は、はるかに多くの物を作りサービスを提供し、お金が回っています。
では、日本はヨルダンなどほかの国と比べてどれだけの経済活動を行っているのでしょうか。経済の大きさを表す尺度として、国内総生産(GDP)というものがあります。GDPとは、一つの国の中で一年間に作られて売り買いされるすべての品物やサービスの金額を合わせたものとして計算されます。
実際に一国のGDPがどれくらいなのかを算出するときには、分配面のGDPといって、消費、投資、政府支出、そして、輸出から輸入を差し引いたものの4つを足合わせることで算出されます。
GDP=消費+設備投資+政府支出+(輸出―輸入)
消費
1つ目の、消費とは、私たちが買う商品とサービスです。たとえば、野菜や服やくつなどの物を買うこと、床屋さんで髪を切ってもらったり、ホテルに泊まったり,レストランで食事をすること、などのサービスが含まれます。この、物やサービスを買うという消費は、日本のGDPの半分くらいになりますので、日本人の消費が少しでも上がったり下がったりすると、経済に大きく影響します。ところが、最近コロナウイルス感染を皆心配するようになり、学校やお店がお休みになったり、家で仕事する人が増えました。多くの人がお店やレストランに行かず、家にいます。また、海外からの日本にやって来る観光客は、これまで日本で沢山の物やサービスを買い、日本の消費を大きくしてきましたが、観光客もほとんどいなくなってしましました。そうすると、消費は大きく減ってしまいますので、今年のGDPは去年に比べて少なくなってしまうとのではないかと心配されています。
設備投資
2つ目の設備投資は、会社やお店がビジネスを行うために使う設備に投資するための支払いのことです。例えば、私の叔母は横浜でパン屋をひとりで経営していますが、叔母は、パン屋を開くときに、大きなオーブン、調理台、調理器具などを買いそろえました。それを設備投資といいます。
政府支出
3つ目の政府支出は、国や地方の政府がお金を出すものです。例えば、道路、橋、公立の学校、飛行場、などは政府がお金を出してつくっています。例えば、今はコロナウイルス感染症が世界中で広がっていますから、今年は世界経済が悪くなるのではいか、という心配が日に日に高まっています。そこで、世界中のエコノミストや政府の人達は、政府は財政出動して経済を少しでも良くするべきだと言っています。ここでの財政出動とは、政府がもっと支出することによってGDPを大きくし経済を良くして行くこと、コロナに感染する患者さんを助けられるように病院の体制を整えるために政府が支出すること、また、世界中で経済活動がストップしているなかで仕事を失う人や経営が苦しくなる企業を助けるために政府がお金を出す、といったことです。
輸出から輸入を差し引いたもの
4つめは、輸出から輸入を差し引いたものです。輸出とは、その国にいつ人や企業がつくった物やサービスを外国に売るってお金を得ることです。例えば、日本は、自動車やコンピューターの部品などを海外に輸出しています。逆に輸入とは、外国から物やサービスを買ってお金を払うことです。天然資源が少ない日本は、石油などを輸入していますし、私たちが着ている服、小麦粉などの食べ物の多くも外国から輸入しています。
このGDPを日本とヨルダンとで比べてみると、日本の経済はヨルダンよりも116倍大きく、日本の経済は世界で3番目、ヨルダンは89番目に大きい、ということがわかります。
このように、GDPによって、一つのの国の経済が他の国よりもどれくらい大きいのかがわかります。
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