【子供の成長と性別】性格も変えてしまう?子供の性格とジェンダーステレオタイプ

この記事では、性別やジェンダーステレオタイプと子供の人格形成についてお話しします。

1.乳児期から始まるステレオタイプ

アメリカの児童心理学の研究者がこんな実験をしていました。乳児を連れたお母さんが、ある時は子供に男の子の服を着せて、別の時には女の子の服を着せて外出するというものです

そしで、外出先の公園などで遭遇した人の反応を見るというものです。

それで、赤ちゃんが着る服によってどのような反応の違いがあったでしょうか。

まず、男の子の服を着てる時には、「強くてたくましい子だね」とか「丈夫な足を持ってるから、きっとサッカー選手になるんじゃないかしら」などといった言葉をかけられて、他方、女の子の服を着ていて着せていた時には「可愛いね」とか「とても静かで穏やかな赤ちゃんね」と言った言葉だったそうです。

これは少し古い実験なのですが、やはり今でも、女の子の赤ちゃんには「可愛い」と言った外面を褒めるような言葉を使い、男の子には、「強くてたくましいね」とか「賢いね」といった能力や人格を褒める傾向が依然として残っていると思います。

また、乳幼児期を超えても、「女の子はこうあるべき」、「男の子なんだから、めそめそしてはいけない」という社会的な期待が今でも根強くあります。

個人的なことになりますが、私には6歳の息子と3歳の娘がいます。6歳の息子は乳児のころから周囲の大人から「お利口だね(You are a smart boy!)」といった内面や人格を褒めるような言葉をかけられることが多かったのに対して、娘は「可愛いね(Cute! Pretty!)」と外面的なことに言及されることが多かったです。

これは娘にとってフェアではないなあと思ってきました。そういうこともあり、私は娘がジェンダーステレオタイプにさらされないように心がけるのが日常になってきました。

2.ジェンダーステレオタイプが子供の人格形成に与える影響

では、こういったジェンダーステンレスが、子供の人格形成にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

それは、子供が周囲から(親、教師、周りの人など)、性別に応じた期待を背負ってしまうということになると思います。そして、それがその子供の人格形成に大きくつながってしまう可能性も大きいです。

例えば、女の子は、可愛くなければならないというプレッシャーが意識的にあるいは無意識のうちに心の中に入ってしまい、知力や問題解決能力といった内面よりも、外面を磨くことに注力してしまうこともあります。

また、男の子は強くなければいけないというプレッシャーにさらされることになります。そして、花を好んだりバレエのチュチュのような繊細なものを好む男の子にとっては、自分の好むものを抑圧される形になってしまいます。男の子だからといって奇麗なものを好んだり身にまとってはいけないということはないのですが。

心理学でも、周りから期待されることが、その人の人格を形成してしまうという研究結果は多いです。(例えば、私は「血液型による性格分類」と言うものを信じていませんが、血液型占いが日本で浸透している理由は、周囲が「君はB型っぽいね」と扱ったり、本人が「自分はA型なので、こういう性格なんだ」と思うことによって、実際に「典型系的なその血液型の性格」になってしまうということ、と心理学者から聞いたことがあります。)

ジェンダーと子育てのお話、次回に続きます。