お金の教育:お金や世の中の仕組み・経済を学ぶのに最も良い時期は?

日本人は金融リテラシーが低いと指摘されることが多いですが、では、お金について学ぶのに最適な時期はいつでしょうか。

私は、去年から今年にかけて、子供たちに、経済や世の中の仕組み、お金はどこで作られてどんな風に流れるのかを教えるようになりました。

ヨルダンに住む日本人のお子さんが学ぶ日本語補習校に招かれて小学生や中学生に経済について話をしたこともありますし、オンラインで小学生の子供に経済の話をしていたこともありました。

ところで、子供が経済やお金や世の中のことについて学び始めるのに一番いい時期はいつだと思いますか。

私がそれは幼稚園の年長から小学校低学年にかけての頃だと思います。この時期には子供達はいろんな好奇心を持ち始め、多くの子供が自然科学や技術や歴史や恐竜に関心をもつようになることから、そういった分野での好奇心を喚起するような本がたくさん出版されています。子供達は好奇心の赴くまま本を読んだり学んで行き、それが彼らの人生の礎となります。

日本では多くの子供さんが経済を学び始めるのは高校になってからで、現代社会や政治経済という科目を履修する時にです。ただ、残念ながら、高校生になるとどうしても「大学受験」が視野に入ってきますので、せっかく現代社会や経済のことを学んでも、どうしても試験対策ですとか暗記偏重になってしまいがちです。

また、 高校生が経済や社会といった抽象的なものを学ぶには、その素地として本人に実体験としてのイメージがなければ、腹落ちするような理解をするのは難しいです。

では、高校生で経済や現代社会を本格的に学ぶまでに個々の子供に実体験からくる具体的なイメージが備わるには、いつから始めればよいのでしょうか。現代を生きる子供は忙しく、小学校高学年以降から日々の勉強や中学受験、中学生では勉強や部活で非常に忙しいのが現状です。

ですので、世の中のことやお金・経済について興味を持ち始め実生活で学び始めるのに最も良いのが、年長から小学校低学年にかけての頃だと私は思っています。

ただ、残念ながらこの時期の子供にわかりやすく経済を教えてくれる絵本はほとんどありません。

私の息子は現在7歳で、日本では小学校1年生に相当する年です。

私も色々試行錯誤ではありますが、息子にお金や経済や世の中のことについて、実生活での日々の経験を通じて教えています。

例えば、お金の価値を教えるということ。「 このヨルダン産のりんごは1キロ100円なのに、エクアドル産のバナナは300円だね。どうしてこんなに違うのかな」と質問し、 そこから、国際物流でコストがかかること、高いにもかかわらずバナナは人気なので値段が高くても買う人がいるということ、そうやってモノの値段が決まること、などを教えられます。また、誕生日などに玩具を買う時、「このレゴと同じ値段で、どんなものが買えるんだろう」とオープンエンドな質問をしてみることもあります。息子にお金の計算をさせて、パン屋さんや宅配サービスなどの支払いをさせることもあります。

4歳の娘に対しては、紙でつくったお金を使った「お店屋さん」遊びが、もっぱらい「お金の教育」の場です。

また、今年はアメリカに旅行できそうなので、そこでも、「ヨルダンの人とアメリカの人はどちらがお金持ちかな、どうしてかな。」など子供達に質問しつつ話してみようと思います。