早いもので2021年も2月に入りましたが、皆さまには2021年は順調な滑り出しでしょうか。
10年後、20年後に2020年を振り返った時、2020年はどんな年であるでしょうか。
これから10年、20年後に2020年を振り返った時、2020年に起こった2つの出来事が、これからの世界、特に経済や国際政治に決定的な違いをもたらしていると思います。
その2つとは、世界的なコロナの感染と、ドナルド・トランプ元大統領の再選が阻まれたことです。
一つ目は、コロナの感染によって世界中で戦後最悪レベルの経済的な打撃を受けましたが、その理由は、人々が外出しなくなり、レストランや娯楽などのサービスを買ったり、モノを買ったりすることが激減したことです。そして、私たちの多くは、今までの経済が、どんなに、「不要不急な」消費に支えられていたかに気づきました。
今までの「不要不急な」消費に支えられた経済発展モデルはサステイナブル(持続可能)ではないとうことに、これほど多くの人が気づいた年は無かったと思います。不要不急な消費とは二酸化炭素の大量消費を意味するので(モノを作るとき、そのモノを国際的に移動するとき排出される温暖化ガスなど)、経済活動からの環境悪化が必然的に起こってしまい、サステイナブルではないということです。
政府や経済学者は相変わらず従来の経済モデルに基づいて消費を喚起しようとして経済政策を立てることだと思いますが、残念ながら付け焼き刃的な効果しかない可能性が高く、それよりもむしろ新しい経済のあり方を受け入れてどう対応するかという発想が必要になります。
二つ目のアメリカ大統領については、トランプ元大統領が推進していた中東政策が後4年続くと、中東政策で絶大な力を持っていたクシュナー(トランプの娘婿)の強硬姿勢のために、中東で大規模な戦争が起こる可能性が高まっていました。バイデン大統領が選出されたことで、それは回避されました。
また、トランプ元大統領の指示でアメリカが気候変動パリ協定から脱退していましたが、これもバイデン新大統領が就任したその日にパリ協定への復帰のための大統領令を出しました。
昨年初頭のコロナ感染が広がる前はトランプ元大統領の再選が有力視されていました。ところが、その後の当時の政権の対コロナ政策の失敗や経済の悪化などから、同氏の再選はなくなりました。コロナが無ければアメリカで今年政権交代が実現することも無かったかもしれません。
コロナ渦という大きな犠牲を払いましたが(残念ながら今もまだコロナ新規感染は収まらず、今までで200万人以上が亡くなりました)、2020年に私たちが経験したことは、10年、20年の長い目で見ると、より多くの人が助かるシナリオに向かっています。経済はよりサステイナブルな方向にいくしかありませんし、また、中東で起こっていたかもしれない戦争も回避されました。
私は、これからの世界はより良い未来が待っていると信じています。
とは言え、コロナでここまで多くの方が亡くなってしまったことは残念でなりません。私の夫の遠縁に当たる人がニューヨークで仕事をしていて感染し、60歳で亡くなってしまいました。
これをお読みの皆さまも、お気をつけてください。
それでは。