日常のなかで自然を無理なく取り入れて、あなたの人生や子育てを最適化しませんか。
最適化とは、私たちの時間や労力や予算といったいろいろな制約に直面しつつも、その制約の中で良い満足度の高い人生を追求することです。(こちらのブログ記事で、最適化についてより詳しく書いています。)
自然の中で過ごすのは、低いコストで高いリターンを得られる最たる行為の一つで、自然を生活の中にうまく取り入れて、人生を最適化することができます。
自然の中で過ごすことによって、感性が刺激され、想像する意欲がわき、好奇心や探究心が育まれ、自己肯定感が高まったり心が穏やかになったりする、という効果が期待できます。
ただ、私たちは皆忙しく、意識しない限り、なかなか日常のなかで自然を感じられません。
特に、私も含め子育て世代にとって、子供を自然の中で過ごさせるのは素晴らしいことですが、仕事をしていたり忙しい日常の中で自然体験を行うのは困難なことも多いです。
例えば、自然教育を提唱する世界的なベストセラーの本(Hanscom著「Balanced and Barefout」)が私が手元にありますが、この中で著者は、子供に1日4時間位の外遊びを推奨しています。
それは理想の子育てではあるかもしれませんが、大多数の親や教育者にとっては現実的ではありません。
そんな時に最適化の発想を使って、理想ではないかもしれないけれど色々な制約のなかで自然を日常生活に取り入れて、満足度や人生の質を上げ、子育て中の方には子供にとってのより良い環境を追求することはできます。
では、具体的にどんなことができるでしょうか。私が子育てから得た経験のほか、茨城県にお住まいで「子供や孫に今ある自然環境を残したい」というミッションをお持ちのまゆさんによるネーチャーリトリートに参加した経験などから、3つのアイディアをご紹介します。
1.ただ自然を感じること
空を見上げて雲の形を楽しむ、風を感じる、草木の匂いをかぐ。少し家の外を散歩しただけでも、これだけのことができます。
もっと目を凝らすと、小さなてんとう虫が花から花へと飛んでいるかもしれません。耳を凝らすと、虫の音(羽音、鳴き声)が聞こえます。朝に散歩すると、朝露を求めて多くの虫が草木にやってきます。
住宅街や都市部であっても、自然はそこにあります。一日五分でも自然を感じるだけで、随分違ってきます。
また、キャンプや山登りハイキングができる環境なら、子供も連れて行って、テント張りや火おこしを手伝わせたり。また、「気を付けて」と大人が連発すると子供の成長する機会を損ねてしまうので、「気を付けて」とは言わず、なるべく子供に経験させ自分で考える力を育むこと。
2.「悪い天気」と思わないこと
「今日は天気が悪い」といって家に閉じこもることはありませんか。
雨や雪が降るのは、「悪い天気」ではなく自然現象です。
私が、アメリカで自分の子供が通っていた自然派幼稚園で野外学級のための研修を受けたときに言われたのは、「悪い天気だと子供に言わないでください」ということでした。悪い天気というものは無く、大雨が降ってもそれはすべて自然の一部です。むしろ、極寒や大嵐といった極端な天気といった場合以外は、どんな天気でも天気を楽しむという心がけが、自然をより良く感じることができ、子供にもそれを推奨することが子供の発達を促します。
大人も、雨の日に散歩すると、晴れた日には気づかない発見がありますし、違った感覚が刺激されます。
3.自然に近い効果を期待できる室内活動
観葉植物を育てる、土がついているような新鮮な野菜を買ってきて素材から料理をする、ノコギリや金づちを使うような創作活動をしてみる、子供に用途の決めない遊び方をさせる、といったことを通じて原体験をすることも出来ます。
例えば、私は、どうしても外に出られない日には、時々子供に「豆遊び」をさせます。大きな容器に沢山の乾燥豆を入れて、現在6歳と3歳の子供が容器(計量カップなど)やおもちゃのトラックで豆をすくったりして遊ぶだけです。子供にとっては想像力を働かせる素晴らしい遊びだと思います。
なお、私が住むヨルダンの首都アンマンは地中海性気候に属し、夏は特に乾燥します。最期に雨が降ったのは5月のことで、これから9月上旬頃まで全く雨のない時期が続きます。日本の梅雨がうらやましく思えたりします。
日本は四季折々の自然が美しいです。コロナの自粛期間も日本ではほぼ終わりました。たとえ梅雨の時期でも、外に出て自然を堪能してみませんか。
Photo by Johann Siemens on Unsplash