グローバルなマインドセットを身に着けるためにの3つの秘訣

前回の記事で、グローバルなマインドセットを持つ人とは、「国境の垣根を越えて世界的な視野からモノを考えられる人」、「グローバルな事象や出来事に対して積極的に関心を持っていたり、色々なことにオープンでいたり、自分のコンフォートゾーンから出られる思考や行動力を持っていたり、広い視野で意思決定ができる人」であるというお話しをしました。

今日は、グローバルマインドセットを高めるための秘訣や、グローバルに生きるにはどうすれば良いかについてお話しします

まず、グローバルなマインドセットを身に着けるための秘訣は、次の3つだと私は考えます。

一つ目は、世の中で起こっていること、特に世界規模でおこっていることにに好奇心を持った上で、理解し情報を得て、学べる能力です。こういった地道な知的な活動は、グローバルなマインドセットを身に着けるのに不可欠です。 ここには、一般的なニュースにとどまらず、歴史や文化についての幅広い教養も含みます。 また、単に情報を仕入れるだけではなく、自分で主体的に考えたりアウトプットできる力も大切になってきます 

二つ目は、心の持ちようの問題ですが、自分とは異なる人や、自分が慣れ親しんできた文化・環境とは違ったものにオープンでいられること、さらに、自分自身が新しい環境に適応したり変化するということです。 ここには、自分とは違うものや多様性をより好むこと、冒険心が旺盛であること、さらに、自分と違う人と接した時にも自分自身を失わずにいられること、といった能力も含みます。

三つ目は、他の人を理解し、他者との関係性を築くことができる能力です。自分とは立場や環境の違う人に共感したり、人の言うことに耳を傾けられたり、さらに、情報発信や行動などを通じて他の人にインパクトを与えられる能力です。仲間をつくったりネットワークを築ける能力も含みます。

こうした資質や能力によりグローバルなマインドセットを獲得し、さらに、英語など外国語でコミュニケーションを取れる人が、「グローバルな人」ということになるのだと思います。

私がここで強調したいことは、こうした資質や能力は初めから備わるものではなく、どんな環境で育っても、後天的に獲得できるものだということです。

例えば私は、北海道の小さな町で生まれ育って、高校まではグローバルや外国とは全く無縁の生活を送ってきましたが、今では日本人や外国人、色々な方から「あなたはグローバルだね」と言われます。

今思えば、私が生まれた育った田舎では多種多様な家庭環境の子供がいて、進学した高校では北海道中からの子供が集まるクラスにいて、そういった環境から、多様性を受け入れる素養ができていたことが大きかったです。

また、グローバルな生活は送っていなくても、グローバルな事象や出来事への関心は子供の頃からありました。例えば、高校の文化祭で最も印象的だったことは、チェルノブイリ原子力発電所爆発の経緯と被爆者のその後についての展示室に入ったことです。その展示室は、本当にひっそりと誰も行かないような教室にあって、その場には私だけが一人でいたということを憶えています。世界的な環境問題や民主主義の問題にも、高校生のころから自発的に関心を持ち始めました。

このように、物理的に子供の頃からグローバル環境になくても、好奇心を持ち続けて、自分が与えられた環境のなかで「グローバルなマインドセット」を身に着ける素地を蓄えることは十分にできると思います。

語学については、もちろん幼少の頃から外国に住んだり外国語に親しんだりしてバイリンガルやマルチリンガルである人は優位な立場にありますが、私の経験からは、大人になってからでもキャッチアップできると思っています。

多少の日本語の訛りがあっても問題ありません。例えば、国際機関で活躍する大半の人は、母国語訛りを持っています。ラテンアメリカ出身者特有のスペイン語訛りの英語、フランス訛りの英語、インド英語、など、皆が堂々と母国語訛りで意見を主張し合っていました。

ですので、むしろ、日本語訛りを無理に消そうとするのではなく、無理にアメリカ英語やイギリス英語を話すのではなく、「知的でグローバル感覚のある日本人」として、正しい文法にのっとって、中身のあることを堂々と喋れることのほうが重要です。

このように、グローバルなマインドセットを身に着けて、さらにはグローバルに生きることで、人生が格段に面白くなると私は思います。