【子供の成長と性別】今でも?「女は女として生まれるのではなく、 女になる」

このブログ記事シリーズでは、子供の性別が人格形成・成長に及ぼす影響、そして、男の子とか女の子であるにかかわらず、子供の良さをを発揮して健全に育つのをサポートするために私たち大人ができることは何かについて書きます。

今回は、なぜこの問題についてお話しするのかについて書きます。

性別が子供の頃の人格形成に与える影響というのは、 私にとっては子供は生まれる前からの大テーマでした。

なぜなら、私自身が、「女の子」として育ったことによって、自分自身に(意識的・無意識的に)限界を設けたりすることによって実際にポテンシャルを発揮しきれなかったのではないかという思いを、思春期の頃から長い間抱き続けてきたからです。そう思わなくなったのは30代になってからです。

私が生まれ育った北海道の小さな町では、非常に保守的な考え方をする人が学校にもいて、今思えば、自然と女の子は女らしく振舞うものだといった感覚が身についていました。

それが大きく変わったのが高校生や大学1年生の頃でした。高校に入って、私の周りの女の子は興味を持たなかったようなサイエンスに興味を持ったり、大学1年生の時に、哲学者でフェミニストの先駆者であるシモーヌ・ド・ボーヴォワールの「第二の性」を読んだ影響も大きかったです。

「第二の性」について私が今でも強烈に印象に残ってるのは、「女は女として生まれるのではなく、 女になるのだ」「女はこうあるべきだという社会的な観念や母親など家族からの期待などによって、女の子は女の子になって、いずれは自らが「女はこうするべきだ」といった制約を自分に課してしまう」というようなボーヴォワールの主張です。

それで、私は自分の子供時代や私の歩んできた道を思い返し、無意識のうちに「女の子はこうすべきだ」と考え行動してきたと気づきました。もしそういった「女の子だから」といった制約がなければ、自分はどんなに別の道を歩んでどれだけの可能性があっただろうと考えてしまいました。

興味深いのは、それは私が日本の田舎で育ったからということではなく、アメリカなど女性の社会進出が進んでいる国でもそういうことが多くあったということです

さらに、現在でも多くの子供はそういった社会観念のもとで育ち、意識的・無意識的にその子供の人格形成や成長に影響を与えている可能性があるということです。

FacebookのCFOのシェリル・サンドバーグが、世界的なベストセラーになった「Lean in(リーン・イン)」で、サンドバーグ自身も、学生時代、女の子だということで、無意識のうちに自分に制約を課していたり自信を持てないことがあったと述べています。サンドバーグはアメリカの大都市のエリート家庭で生まれ育ったのですが、その彼女でさえそのように感じて育っていたのです。そして、彼女の「Lean in」に世界中の多くの女性が共感したくの女性も、似たような経験をしてきたのだと思います。

また、子供の絵本などを見ても、「リーダー的な役割を担うにあるのは男」、「女性が家事の担い手」、「冒険してヒーローになるのは男の子」、「いたずらするのも男の子」といった観点から書かれているものも多いです。

現在でも世界の大半の国で、程度の差はあれ、幼少時からジェンダーステレオタイプという意識ができてしまいます。スウェーデンなど北欧の国などは、幼少のころから性別によるステレオタイプが撤廃されているようですが、こうした国は、世界レベルで見ると例外的です。

あなたは、この問題についてどうお考えですか?

次回は、ジェンダーステレオタイプや性別に応じた周囲からの期待が、子供の人格形成にどう影響するかについてお話しします。