ライブで、お金の流れや経済をわかりやすく的確に伝えること

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この記事では、私の現在進行中のプロジェクトである「日曜夜の、やさしい経済学ライブ」(こちらのグループから、過去のライブも視聴可能ですので、是非ご参加ください)で、経済という取っ付きにくい話題について、どのように伝えようと試みてきたかについて書きます。

私たちは、人の話を聞くときに、自分の感心や文脈の中で理解するのであり、話し手の意図とは異なるふうに解釈をしがちである。なので、誤解というのはコミュニケーションにつきものだと認めたうえで、誤解をできるだけ少なくしつつ、解りやすく簡潔に、それでいて本質を伝えられるように的確に話をするということが要となってくる。

この「日曜夜の、やさしい経済学ライブ」は、世の中のお金の動きや経済について知ることでより多くの人が安心したり情報リテラシーを高めたりして人生の質を上げることができるのではないかとの思いで、私が始めたものだ。一か月あまりでこちらのFacebookグループに参加した方が170名を超え、「わかりやすい」とか「役に立つ」といった感想をいただけるようになったのは嬉しい限り。

このライブをするにあたって私が気を付けてきたことは、どうやって、わかりやすく簡潔に、それでいて本質を伝えられるように的確に説明するかということだった。経済学は、他の多くの学問と同じように、日本にから外国から日本に輸入されてきたものなので、多くの専門用語がかなり意味不明な日本語で置き換えられている。なので、日本語の専門用語は解りにくく、用語を見ただけで直感的にわかるという感覚にはなりにくい。

例えば、前回(5月31日)のライブでは、お金の流れがテーマで、経済学的に言うところの「貨幣の乗数効果」のお話しもした。その解りにくい経済専門用語を使うと、「貨幣は信用創造機能により、中央銀行が発行するハイパワードマネーよりもはるかに多くのマネーストックが流通し、その度合いは貨幣乗数と呼ばれる。」ということだ。

もちろんそれでは直感的に理解できないので、私は次のようにお話しした。


私たちが通常考えるお金と言うのは、手持ちの現金に加えて、すぐに引き出すことが可能な料金も含む。日本の全ての紙幣の正式名称は「日本銀行券」で、実際、お金には「日本銀行券」と書いてある。

例えば、日本人の健康な妊婦さんが安定期に入ったときにハワイに旅行して、思いがけず早産となり緊急帝王切開して子供が未熟児で生まれ、アメリカの病院の新生児集中治療室(NICU)に入って数ヶ月入院すると言うことになると、多額(数千万円!)の医療費が請求され保険がきかない可能性がある。そんな時に私たちがとにかくお金を用意できるのは、手元にある現金や預金など。

そこで、お金を「現金+預金」と定義すると、このお金は、銀行を通じて「創られ」、日本銀行が発行するお金よりもはるかに多くのお金が世の中に存在することになる。(下の図を参照)

ただし、それが実現するには、いくつかの前提があり、例えば、私たちが銀行〇〇していること、また、銀行は〇〇な状態であることが必要。(〇〇に入るのは何でしょうか?)」

(ご興味ある方は、こちらのリンクからグループに参加して、過去のライブ(5月31日開催分)をご覧ください。)

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私は自分なりにベストを尽くして話したつもりだったが、ライブという一方向のコミュニケーション形式では視聴者からの反応を聞きにくいため、私は必要な情報を的確に伝えられていたかどうか、不安は残る。

それで、そのFacebookグループのお茶会を開いたりしてみた方からのフィードバックをいただけていたら良いなぁと思ったりもした。それで、最近、Facebookグループ内でZoomお茶会を始め、Facebookグループの方との双方向のコミュニケーションを始めた。

どのようなコミニケーションも常に誤解が生じるのが大前提だという発想に立ってみる。それを前提に、フィードバックをしながら、お互いを理解し合うこと。これからも、誤解されうるということを前提として、どのようにして誤解を少しでも減らしながらお互いに歩み寄るのかを考え、わかりやすく的確なコミニケーションを心がけたい。

さて、この日曜日の夜のライブ、私自身も楽しみになってきたので、これからもずっと続けていきたい。これまではGDPとか政府の経済対策とかお金の流れといった大きな話題(マクロ経済学と言われるもの)を扱ってきたが、これからはもっと話題を広げてゆきたい。例えば、なぜ物の値段が上がったり下がったりするのか、なぜ円はドルや他の通貨に対して安くなったり高くなったりするのか、税が私たちの生活や将来世代にどう影響するのか、経済格差や不平等問題、日本の貧困問題と世界の貧困、経済発展と環境、育児を経済的にみる、日常生活で使える合理的な意思決定など、話したい話題は尽きない。

Cover Photo by Katie Harp on Unsplash