私が世の中に貢献できること

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前回のブログ記事で私は、「自分が持っているものの価値は本当の価値が自分にはなかなかわからないかもしれない。そこで、頭でっかちにならず、失敗してもいいからどんどんチャレンジし提供し続けると言うこと。」と書きました。

では、私自身は何をしているのか、私自身は失敗を恐れずリスクを取っているのか、ということについて書いてみます。

大きな組織で働いてわかったこと

私がかつて在籍していた財務省に国家公務員I種試験をパスして入省し早期退職した方の多くは、政治家、ゴールドマン・サックスといった外資系大手金融・コンサルでバリバリやっていたり、学者になったりテレビやメディアで活躍しています。

何年も前、財務省に勤務していたころ、私は財務省を辞めて何かをしたいと思っていて、財務省で知見の深い先輩に相談しました。その先輩によると「財務省を辞めた直後にはネームバリューから良いところに就職先があるけれど、その後続けるのは難しい。」ということでした。

私はいろいろ考えました。そもそも、私は財務省退職後に名だたる大企業に入ってバリバリやったり、政治家やテレビタレントになってメジャープレーヤーになりたいのか。私が目指すところは何なのか。

大きな組織に13年間勤めて感じたのは、いくら私が一生懸命に働いても、私がいなくてもその組織は回るということです。ですので、別の大きな組織で働くことに魅力を感じませんでした。また、私がいた財務省やIMFといったところは充分にネームバリューがあり、箔をつけるために他の組織で働くという気もしませんでした。

なお、日本の中央省庁で働いている私のかつての同僚や友人は、国のために大きな努力を払っていて、現在の日本の統治機構を支えていて、私は彼らを尊敬しています。それでも、彼らがもっとワークライフバランスを改善させてより幸せな時間を多く過ごしてくれたら、と私は思います。

私が大切にしたかったこと

私が最優先させたいことは、夫や子供たちとの時間を大切にすることでした。特に幼い子供は私を常に欲していて、私が彼らの人生に決定的な影響を与える唯一無二の存在でした。私は、自分の子供の通う幼稚園で幼児教育を学んだり先生のアシスタントとして教室で子供と関わったりして、親として必要な育児スキルを身に着けてきました。

下の子供が3歳に近づいてきたころ、私は、家族中心の生活もひと段落してきて、自分の影響の輪を家族の外にも少しずつ拡げてゆこうと思い始めました。

私に何が出来るのか。私が持っている経済や金融や育児や児童教育の知識や経験やスキルを他の人に伝えることにより、その人たちの人生に違いをもたらすことができるのではないかと思い始めました。

私の原点

私がこう考えるところの原点は、私の母が経験したことや、私の友人たちの心の声です。私の両親は経済や金融についての正しい知識を持ち合わせておらず、1990年代にバブルが崩壊した後に事業を始め、全くうまく行かず、その後90年代後半の不況や金融危機を経て赤字が膨らみ事実上倒産しました。特に深刻な影響を被ったのは私の母で、50歳過ぎて離婚し無一文で婚家を出た後に、生活を立ち上げなければなりませんでした。私の父や母に少しの正しい金融や経済の知識があったらもっと良い判断ができたと、私は今でも思っています。

また、IMFを退職してから、色々な人と関わり、友人もできました。仕事を続けていたら決して出会わなかったであろう、貴重な出会いでした。そういった友人たちが、これからの世の中や経済はどうなるのか、子供達が生きるであろう社会はどんなもので、親としてどんな備えをしたら良いのか、ということを、私にいろいろ質問してきました。

私に出来ることがあるはず

こういった方々に私はできることがあるのではないかと考え、現在住んでいるヨルダンで、少しずつ実行に移してきました。女性に経済学をわかりやすく教えるセミナーを開催したり、世界で立証されている育児スキルや児童心理学を子育て中のお母さんたちに教えたり、大学生や小中学生に経済学を教えたりしました。

私のセミナーは最初はオフライン(対人)でしたが、新型コロナ感染が世界的に広まってきたころから、オンラインに切り替えました。今は、YouTubeやFacebookライブやZoomオンラインで情報発信しています。

参加した方から、「すごく役に立った」とか、「経済がわかるようになって、人生が変わってきた」とか、「子供への関りがとても向上した」といった言葉をもらえるのはとても嬉しく、私の影響の輪がどんどん広がる実感があります。

私の試みが今後どうなるのか、私自身も判りませんが、私の持つ知識や経験やスキルを発信して私の持っているものを必要とする人に届けたいです。

Photo by Dose Media on Unsplash