2000年前のペトラの知恵:「おもてなし精神」

先日、ヨルダンの南にあるペトラ遺跡に旅行してきました。
本来なら観光シーズンなのですが、今年はコロナ感染で外国人観光客もほとんどおらず、人もまばらでした。その代わり、静かななかでじっくりと鑑賞でき、入場料も無料でした。
ペトラ遺跡は、2000年ほど前に死海の近くの渓谷に作られた巨大な遺跡郡で、映画「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」の舞台として有名になりました。新・世界七不思議にも選出されました。
ナバダイ人が建国したペトラはシルクロードの通称上の要所であり、キャラバン隊が運んできた香辛料ほか色々な物が取引されていました。


当時、このペトラが非常に栄えていた理由は、地理的要因の他、実は彼らの「おもてなし」精神だったのです。
砂漠のシルクロードを旅していたキャラバン隊が最も必要としたもののひとつは、水でした。
ペトラには、自然の岩がおりなす広大な敷地の中に、要所要所にダムのよう水を貯める仕組みがたくさんあり、キャラバン隊に24時間体制で水を供給する仕組みができていたのです。
それで、キャラバン隊は必ずペトラに立ち寄り、次第にペトラで多くの取引が行われるようになり、世界的な貿易センターとして栄えました。
工夫をして他の人が欲するサービスを提供し、それによって多大な報酬を得て富を築き、栄える。
2000年前の人たちの知恵が、今日にも通用するというのは面白いですね。

なお、昨年、日本政府(JICA)の協力により、ペトラ博物館がオープンしました。ペトラの歴史を継承する素晴らしい機会を提供しています。
https://yokoshinagawa.com/l/u/DYC21Avlxs9oM5Zl
JICAもこのようなページを出しています。
https://www.jica.go.jp/oda/project/1360900/index.html